“個人事業主の時代”などと盛んにいわれますが、日本はサラリーマンなしには成り立たないのだと、本書を読んでつくづく感じます。
テレビドラマでも今年に入って『今どきの若いモンは』（ＷＯＷＯＷ）、『悪女（わる）～働くのがカッコ悪いなんて誰が言った？』（日テレ）など企業内出世ものが続いたりして、振り子の揺り戻しのような感覚もあったところへ今回、この文庫の担当になったのでした。
みつろう先生の世界観は日頃より大好きでしたが、本書では「働くとはどういうことか」を考えさせる世界へぐんぐん引き込まれます。
経験豊かでユーモアたっぷりの言葉を操る営繕さんによって成長していく主人公・虎太郎の奮闘ぶりを、ぜひお楽しみください。
読み終わると、自分の仕事に対する心持ちが大きく変わっていることに気づくと思います。