『集中力』を執筆したセロン・Ｑ・デュモンが、本名の「ウィリアム・Ｗ・アトキンソン」名義で書き残していた、記憶に関する本です。今から１００年以上も前に書かれた作品にもかかわらず、まったく古さを感じさせません。いや、それどころか学べることばかり。「記憶力」というと、「ある」とか「ない」とか、その点がおもに議論されがちですが、記憶のメカニズムを知ってから、ものの見方・聴き方を意識すれば「記憶」の質はぐ~んとあがると著者はいいます。何をするにも「コツ」ってありますよね。そのコツが、こと細かくレッスン（章）に書かれているのです。いにしえの作家アトキンソンさん、訳者のハーパー保子さん、写真は高砂淳二さん、本文イラストは初参加の須藤聖名子さん、そしてブックデザインはおなじみのスタジオギブ川島進さん――まるで音楽のセッションを楽しむような心地よさで編集させていただきました。いろいろな世代の読者に読んでいただければと思います。